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自分が「つくる」ことで人に伝える

図面に描くのと、実際に作るのとは別世界です。机に向かって考えていても、それは紙の上だけの想像の世界。それが現場にいけばその場で理想を具現化できる。その感覚や発想の広がりは頭で想像するだけの世界とは全く違うのです。どうしたら望むものができるのか、「自分でつくる」ことを考えた時に初めて図面以上の自分の頭の中を人にきちんと伝えることができる。私は日本に来た当初、言葉の壁が大きかった。だから自分が作って実践することで問題点や難易度を理解して職人さんとのコミュニケーションを図ってきました。モノづくりの経験は自信に繋がります。そして、それは言葉や感覚の違いはあっても現場が始まれば必ず生きてくる。それを繰り返すことで自分自身も現場も、施主さんもアップデートして良い関係を築いていけるのだと思います。

I'm HOME 2004年より
VELATI 自邸
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ものづくりはイメージから。

大切なのは「もの」に命があるかどうか。

マンションや公共施設もデザインするけれど「ものづくり」として面白いのはやはり個人住宅。私は住まいを作るとき、必ず施主にも施工に参加してもらっている。一緒に施工することで家づくりの思い出ができるし、愛着がわく。ただアイデアを出して設計料を頂くだけの関係ではなくて、もっとクライアントとの感動を分かち合いたい。そういう思いが「ものづくり」に命を吹き込む。それはとてもエネルギーが必要なことだけど、ものづくりをする上で何より大切にしていること。デザインはもちろん大切。でもそれだけでは寂しいですね。

​自宅は基礎から床、壁、窓のサッシに至るまで全て手作り。自分でやらなかったのは電気とガスの設備だけです。ここは妻との実家で二世帯で暮らすために専用キッチンとダイニングを増築したのでだけれど、設計から実際に暮らせるようになるまで日曜大工で2年かかりました。増築とはいえ全部自分で作るのはさすがに大変だったけれど、ホームセンターで売っているもので全てつくったから相当早い方でしょう(笑)ちょうど自宅を作り始めた後にの設計依頼が来たのでまずここで実験してから邸の職人に教えたこともある。自宅のダイニングにあるガラスモザイクの出窓はココで先に試作した。現実に無いものは試作してみるしかない。でもそれがデザインというものでしょう。      

​私の設計は一つのものに二面性を持たさえているのが特徴かもしれません。一つのものが一つの役割しか持たないのは寂しいからね。ガラスモザイクの出窓は出窓でありながら内部ではディスプレイ棚、外部から見るとデザイン的アクセントになり夜は行灯にもなる、こうしていくつもの意味を持たせると、その「もの」自体が生き生きしてくる、使い方も変わってくるし面白さがでる。                  

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経験の積み重ねが新しい「もの」を生む

​人間はスポンジみたいなものだからいろいろな影響を受ける。でもそれが独自のデザインやアイデアとしてアウトプットできるようになるまでには時間がかかる。本当のオリジナルなんてそんなに簡単にはできない。オリジナリティーを表現するのはパワーがいること。イタリアにいた頃は先輩の真似をして経験を積み、ようやく独自のカラーが出せるようになった。単なる真似ごとはダメだけれど、良いものを盗む気持ちは大切な事。たとえ素質があっても努力しなければ才能は伸びない。日本で設計事務所を開設しようと決めたとき

​「言葉も法律も知らないで??」と周りから驚かれた。でも深く考えすぎたら何も始められない。大切なのはやろうと思う気持ちで、できないと言われても自分で作ってみる。そうすることで必ず道は開けるはずだから。                                         

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